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マニュアル作成に必須!「禁止・警告・指示」の違いと正しい使い分け方・ルール

2025.06.10

取扱説明書やマニュアル、製品ラベルなどで目にする「禁止」「警告」「指示」「注意」という表現。どれも安全に製品を使用してもらうために欠かせない重要な情報ですが、その違いや使い分けについて、正しく理解できていますか?

万が一の事故やトラブルを防ぐためには、ユーザーに危険の度合いや取るべき行動を正確に伝えることが不可欠です。さらに、PL法(製造物責任法)や国際規格(ISO 7010ISO 3864など)への対応という観点からも、マニュアル作成者にとって避けては通れないテーマです。

そこで本記事では、「禁止」「警告」「指示」の違いと正しい使い分け方について解説し、実務に役立つ具体例や作成のポイントをご紹介します。

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「禁止」・「警告」・「指示」の意味と使い分け

マニュアルや取扱説明書、安全標識などでは、「禁止」「警告」「指示」といった用語が頻繁に登場します。一見似ているように見えて、それぞれが示す意味や用途は大きく異なります。

これらを正しく使い分けることは、事故やトラブルを防ぐだけでなく、企業の信頼性や責任回避にもつながる重要なポイントです。まずは、使い分けの重要性とそれぞれの意味を整理しましょう。

なぜ使い分けが重要なのか?

これらの表現は単なる「注意喚起」にとどまらず、事故・トラブル防止、PL法(製造物責任法)対策、法令順守といった極めて実務的な要件と密接に関わっています。

もし表現を誤れば、ユーザーが危険を正しく認識できずに事故を招いたり、企業側が損害賠償を負うリスクもあります。

そのため、使用する表現は、危険のレベルや必要な行動に応じて適切に選ばなければなりません。ユーザーが直感的に理解でき、安全に行動できるように設計することが大切です。

禁止:絶対にやってはいけない行為

マニュアル・取扱説明書作成_禁止マーク

「禁止」は、行為そのものが重大な危険を伴う場合に使用されます。「絶対にやってはいけない」行為を明確に伝え、事故や損傷を未然に防ぐ役割を果たします。

視覚的には「赤い丸に斜線」で示され、直感的に「絶対にやってはいけない」という強い禁止を伝えるデザインになっています。

例:火気厳禁、分解禁止、飲食禁止 など

マニュアル・取扱説明書作成_禁止マーク

 

警告:強い注意喚起

マニュアル・取扱説明書作成_警告マーク

「警告」は、行動を誤ると死亡・重傷などの重大な危険につながる場合に使用されます。ユーザーに対して強い注意喚起を促し、リスクを回避する役割を果たします。

視覚的には、「黄色地に黒い縁取りの三角形」で示され、内部には具体的な危険を示すピクトグラムを配置するのが一般的です。

例:感電注意、高温注意、落下物注意 など

マニュアル・取扱説明書作成_警告マークマニュアル・取扱説明書作成_警告マークマニュアル・取扱説明書作成_警告マーク

指示:必ず実施すべき行動

マニュアル・取扱説明書作成_指示マーク

「指示」は、安全な作業や操作を行うために、「必ず実施しなければならない行動」を示します。

視覚的には、「青い丸」で示され、内部に行動を示すピクトグラムを配置し、必要な動作を明確に伝えます。

例:保護メガネ着用、アース接続、手袋着用 など

マニュアル・取扱説明書作成_指示マークマニュアル・取扱説明書作成_指示マークマニュアル・取扱説明書作成_指示マーク

マニュアルや製品ラベルにおける安全表示は、ただ言葉を並べるだけでは不十分です。色・形・アイコン・ピクトグラムなどの視覚的要素を組み合わせることで、より直感的に危険性や行動を伝えることができます。特に国際規格に準拠したデザインは、言葉や文化を問わず直感的に理解されやすいため、安全性の向上に加えて、製品を海外展開する際の信頼性確保にもつながります。

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規格に基づく安全表示作成の基本

安全表示の作成においては、社内ルールだけでなく、国際規格・国内規格・法的要件を正しく理解し、それらに準拠することが求められます。ここでは、実務で必ず押さえておくべき代表的な規格や法制度について解説します。

ISOとは?

ISOとは、「International Organization for Standardization(国際標準化機構)」の略称で、スイスのジュネーブに本部を置く非政府組織です。世界中で流通する製品やサービスに対して、品質や安全性のばらつきをなくすための国際的な基準を制定しています。

この国際的な規格は「ISO規格」呼ばれ、各分野ごとに細かく定められています。もしこうした統一された規格が存在しなければ、同じ製品でも国ごとに安全基準が異なり、貿易上のトラブルが起きたり、ユーザーの安全性が損なわれたりするリスクが高まります。

ISO規格にはそれぞれ識別のために番号が付けられており、「禁止」「警告」「指示」などの安全に関するマークは、主に「ISO 7010」と「ISO 3864」などで詳細に定められています。

これらは、安全標識や注意喚起の表現を国際的に統一するために制定された規格で、製品を海外展開する企業にとっては、マニュアルやラベルをこれらの規格に準拠させることが重要です。

ISO 7010(危険標識・警告標識・安全標識に関する国際規格)

危険・禁止・指示・避難などの情報を、ピクトグラムで統一的に表現する国際規格です。色・形・絵柄が定められており、言語や文化を問わず、世界中のユーザーが直感的に理解できるよう設計されています。

例:感電注意、高温注意、立入禁止、保護具着用指示 など

ISO 3864(標識のデザイン原則に関する国際規格)

標識に使われる色彩・形状・寸法・配置などの基本ルールを定めた規格です。ISO 7010のピクトグラムは、ISO 3864のデザイン原則をもとに作成されています。

JISとは?

JISとは、「Japanese Industrial Standards(日本産業規格)」の略称で、日本国内における製品やサービスの品質・性能・安全性を統一するために定められた国家規格です。JISの多くは、ISO規格を基に翻訳・整備されており、国際規格との整合性が図られています。

JIS S 0101標識に用いる図記号に関する国家規格)

日本国内で使用される「危険」「禁止」「指示」といった標識に関しては、「JIS S 0101(安全標識に用いる図記号 — 一般要求事項)」という規格で定められています。この企画は、ISO規格の内容をベースにしつつ、日本の使用環境に適した補足や調整が加えられています。学校・病院・公共施設・工場など、さまざまな現場で広く使用されており、日本語を併記する際のフォーマットやレイアウト指針も盛り込まれています。

PL法に対応する注意書きの工夫

PL法(製造物責任法)は、製品の欠陥による事故発生時にメーカーが負う法的責任を定めた法律です。マニュアルの安全表示は、PL法における「注意喚起義務」の実質的な履行手段となります。以下の点に配慮した表現が求められます。

危険の具体的説明

単なる「危険!」だけでなく、何が危険でどのような結果になるのかを明記します。
例:×「危険!」 → ○「高温部に触れるとやけどの恐れがあります」

行動の具体的指示

ユーザーがとるべき行動を明確に示します。
例:「必ず電源プラグを抜いてから作業してください」

誤操作を想定した表現

知識のないユーザーでも理解できるよう、想定される誤操作を防ぐための記載が必要です。

多言語・図解の活用

外国人利用者や高齢者・子供でも理解できるよう、イラストやピクトグラム、多言語表記を積極的に活用します。

 

こうした工夫を施すことで、事故防止だけでなく企業としてのリスク低減にもつながります。

まとめ

安全表示に求められる最も大切な要素は「わかりやすさ」です。マニュアルや取扱説明書において、禁止・警告・指示・注意といった表示を適切に使い分けることは、単なるルール遵守にとどまらず、製品を使用するすべての人の安全を守るための基本となります。

安全表示は、製品の「顔」とも言える存在です。「誰が見ても迷わず安全に使えるか?」という視点を常に意識し、マニュアル作成に役立ててみてください。

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